20日間で作るノベルゲーム制作日記

獣の夢みる恋物語の体験版に続き、先日短編TSミステリ「白き野に咲く花の名は」をリリースしました。

こちらからプレイ可能です。

短編のため、ゲーム紹介はこちらにまとめております。

さて、サイトでは本作の制作日記を公開したいと思います。

本来は1ヶ月で作る予定だったTSFフリーゲーム

そもそもなぜ急に短編ゲームを作っていたかというと、以前TSFフリーゲームを制作することを公言したからなんですね。

当時のテンションはこちら↓

しかし、その後獣の夢みる恋物語(以下けもみる、私がメインで制作している長編エロゲです)の制作が本格化した結果、完成までスケジュールがギチギチであると判明しました。

おまけに6月中に完成させる予定だったけもみる体験版もスケジュールがずれ込んで、7月頭まで作業をしておりました。

そんなわけで余裕はまったくなかったのですが、上記の記事でわざわざアンケートまで取ったのにボツるのは失礼だなと思い、けもみる体験版完成直後から短編の制作を開始しました。

ただし、けもみるの制作に影響が出るため7月中に絶対完成させなばならず、7/7~7/27の20日間作業をして完成させました。

今回後学のために制作記録を取っていたので、誰かの参考になればと思い制作日記を公開した次第です。

制作者の状況と目標

20日間でゲームを作るといっても、状況と目標によって難易度はまちまちだと思います。

私の場合、

  • 週5勤務の会社員(ゲームは1ミリも関係ない職)
  • ティラノスクリプトは基礎的なタグなら何も見ずに打てる
  • 制作するのは30分以内で終わる短編
  • CGは立ち絵のみ、凝った仕様にしない

という前提で、きっちり20日間作業をして完成まで持っていきました。

重要なのは2番目で、ティラノスクリプトを修得するのに、今回新しい時間は割いておりません。

制作開始~完成までのスケジュール

~0日目 プロット

元々企画ベースのため、上記のCi-en記事を書いた時点でプロット案は固めていました。

詳しいプロット内容はCi-enフォローして上記の記事を見て頂ければフォロー限定で公開しておりますが、当初はこのどちらかのゲームを作ろうと思い、アンケートを採りました。

  1. 女体化したおっさんアイドルを育成する育成ゲーム
  2. 女子校の中に1人だけ紛れた男を見つけるミステリ

アンケート結果はぶっちぎりで2の方だったのでした。女体化おっさんは需要がなかった……

決まったのは半年くらい前なので、けもみるの制作を進めながら、並行して脳内でプロットは立てていました。

が、最終的にプロットが破綻していてオチがつかないことが発覚して、書きながらオチを決めていくという地獄を体験しました。

1~2日目 UI作成

けもみるの制作で学んだことですが、ゲーム画面の文字幅は絶対に執筆前に定義した方がいいです

シナリオからスクリプトに起こす際、事前に改行を入れてないと後から手作業で改行を入れねばならず、かなり手間になります。

そのため、1行何文字かだけは最初に決めて、テキストエディタをその幅にしましょう。

今回はフリーのUI素材をそのまま使わせて頂いたので、まずUIプラグインを導入して文字数をチェックしました。

本作では34文字×3行になっています。

それだけわかれば執筆開始して大丈夫です。実際、執筆時にはこのように書いています。

;屋上(のばら+1)
#陽室
「水島さん、危ないよ」
#のばら
「……チッ」
まさかと思い屋上を覗きにきたところ、のばらが鉄柵にもたれかかって
たそがれていた。

これをティラノスクリプト化すると下記のようになります。

[bg storage="okujo.jpg" time="100"]
[playbgm storage="nobara.ogg" loop=true sprite_time="0-76001" intro=true volume=80]

[eval exp="f.nobara +=1"]

#陽室
「水島さん、危ないよ」[p]
#nobara:angry2
[nobara_show]
#のばら
「……チッ」[p]
#
まさかと思い屋上を覗きにきたところ、のばらが鉄柵にもたれかかって[r]
たそがれていた。[p]

改行タグ類は一括置換で追加しているので、とにかく大事なのは行数を定義して、事前に改行を入れることです。

横書きADVでは単語の区切りで改行、「の次の行は字下げが基本です。これ、エロゲも乙女ゲもやってない人は抜かしがちだからみんなやって欲しい。

私は文章力がないので、そういうUI面での不自由はなるべく取り除くようがんばりました。

また、この際本作のメイン部である学校マップも作成しております。

背景は購入済み素材で一番マップっぽいものを使わせて頂きましたが、すげ~さよならを教えてのマップに似てるんですよね

内容も教師が主人公ってところとかちょいちょい被ってるので焦りましたが、特に意識はしてないです!!

でもさよ教のマップでセーブできない不自由さを覚えていたので、セーブボタンを設置することを思い出せました。ありがとうさよ教。

3日目~7日目 シナリオ執筆

下準備が済んだので、シナリオの執筆を開始しました。

が、前述のとおりオチが決まってないのにノリで書き始めたためまとまらず、迷走しだします。

幸い本作は1000字程度の小イベントを5日分×3用意するタイプのゲームのため、1つのイベントあたりは無理矢理まとめられましたが、解決編はまったく思いつかなくて放置。

執筆時はこのようなエクセルを作成して、何日目に誰がどこにいるか決めました。

本当は植物園と体育館もあったのですが、どちらも5日間で1回しか使われないので消しました。

8日目~14日目 トップ絵・立ち絵作成

シナリオが煮詰まったので、もう先にゲームを組める状態にしてスクリプトで直接書くか!! と開き直り、絵作業に着手し出します。

今回は自分の塗りの中で最もエコな水彩塗りを採用しています(制服の塗りなどがそうです)。

厳密に言えばラフはけもみる作業中にも少し描いていましたが、この2週目でトップ絵と立ち絵3種を完成させました。

表情差分は1人4つ。のはずが、のばらの泣き差分を後で足したり、土田先生の笑顔差分結局使わなかったりしました。あるある……。

15日目~17日目 スクリプト

ここからは7月の連休を利用しています。

画像が揃ったので、トップ絵と立ち絵、マップをゲーム内に組み込みます。

本作は〇日目プロローグ→マップ移動→移動先会話→次の日へという決まった流れがあるので、スクリプトはコピペ多用で非常に楽でした。

特徴的なのは各日のハズレ(移動先に誰もいないパターン)で、これは日数分用意しているわけではなくて、各場所1つずつ用意して、日数でジャンプ先を分岐させています。

[jump storage="day2.ks" target="*day2_before" cond="f.day == 1"]
[jump storage="day3.ks" target="*day3_before" cond="f.day == 2"]
[jump storage="day4.ks" target="*day4_before" cond="f.day == 3"]
[jump storage="day5.ks" target="*day5_before" cond="f.day == 4"]
[jump storage="epilogue.ks" target="*final_start" cond="f.day == 5"]

こんな感じ。

小鳥遊さんのQiita記事を拝見する限り、この手の分岐にifelseは使わない方がいいのでcondで分岐させてます。

他BGMや立ち絵処理も追加しています。今回はなんとノーSEなので超楽でした。

18~19日目 シナリオ(再)

いよいよ他の作業がなくなったので、シナリオに再び取りかかります。

ここまで来るとスクリプトが終わっているという安心感や画面を見ながら書けるので手戻りも少なく、何もない状態よりはずっと書きやすくなっています。

それでも解決編は全然オチが決まってなかったせいで非常につらかったですが、何とか書き終えました。

20日目 デバッグ

今回は短編だった&幸い動作ミスが起きなかったので、デバッグは1日で終わりました。

ティラノスタジオでのデバッグ、すごく楽。ティラノビルダーでどうやってデバッグしていたか記憶喪失になりました。

誤字脱字のチェックはかなり甘いです。きっと誤字だらけだと思われる……見つけたらそっと教えてください。


というわけで、20日間きっちり毎日作業して、無事短編ノベルゲームが完成しました。

大事なのは、妥協すること

今回制作当初から一貫して決めていたのは、締め切りを最優先として、こだわりを捨てるということでした。

けもみるの制作を通じて学んだのは、ADVはこだわると作るのめっちゃ大変ということでした。

こだわったら7月中に完成しないのは目に見えていました。

宣伝を兼ねたフリーゲームの制作によって、本来注力すべきエロゲ制作に影響が出ては本末転倒です。

そのため、文章のクオリティはこだわらない、絵は立ち絵のみ、その他は全て素材そのままを徹底しました。

創作者として、妥協するのは結構つらい

創作をしていて、とりわけシナリオを担当している場合、シナリオの質を下げるのって結構つらいんですよね。

今回の制作で一番つらかったのは、時間さえあればもっと丁寧なシナリオが作れたはずなのに、妥協せざるをえなかったことです。

別所にも書きましたが、けもみる1章のシナリオは公開の1年半前には初稿を書き上げ、そこから3回ほぼ全文入れ替えレベルの推敲を行って、ようやく完成させています。

未熟な面もありますが、今の自分の全力を出した文章のつもりです。

しかし、短編はプロットすらなくその場のテンションで書き綴ったため、上手くまとまりきってません。

ですが、時間が限られている以上、最優先にすべきはゲームの形にすることです。

以下の記事がこのマインドをドンピシャで表してるので、ゲームが完成しない人は一読してください(丸投げ)

上記の記事からの引用ですが、

リリースされないゲームは、ゲームとしての価値が評価されることはない

https://mackysoft.net/value-of-the-game/

これが真理だと思っています。

本作は特にフリーゲームなので、金銭的責任もなく、絶対に満足行くクオリティに仕上げることが目的ではありません。

決められた期限内で1つの作品として完成させる。この目標は達成したので、私自身は満足しています。

最後に

今回全年齢の短編フリーゲームのメイキングをまとめましたが、私が本来見て欲しいのは制作中のエロゲの方になります。

もし制作物に興味を持って頂けたら、下記URLからCi-enフォローで体験版DL可能なので、プレイお願いします(リンク先18禁)。

全年齢の制作物と違い凌辱グロゲーなんですけど、耐性ある方には楽しめる作品を目指したつもりです。

こっちは実作業だけで半年かかってるので、だいぶ……頑張ってます。よろしくお願いします。

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