【CLIP STUDIO】 TABMATEのおすすめカスタマイズ方法
クリスタをご利用のみなさま、ショートカットは活用されていますか?
クリスタはほぼ全ての動作にショートカットを割り当て可能で、非常に効率的です。
しかし私の場合、「左利きなのでペンを持ちながらCtrl+z(やり直し)が打てない」「コマンドが多すぎてショートカットを覚えきれない」などの問題が生じたため、上手く活用できませんでした。
だからといって全ての動作をいちいちツールやコマンドバーから選ぶのは手間なので、何かいい方法はないか探したところ、クリスタ公式の左手デバイスであるTABMATEがよさそうでした。
設定を色々とカスタマイズした結果、TABMATEを使えば作業速度が20%は上がると確信したので、今回はそのカスタマイズ方法について解説したいと思います。
カスタマイズすると、ここまで効率化できる
TABMATEのカスタマイズをすると、両手を初期位置から動かさないかつ、カーソルをキャンバスの外に移動することなくお絵描きができます。
このデモを見て頂けると、カーソルがキャンバス外に出ていないことがわかるかと思います。
絵を描くのに必要な動作が全て手元に呼び出せるので、いちいちツールバーにタッチしに行く動作が不要になります!
TABMATEの初期設定
TABMATEは購入時点で、4つのモードに各16個のアクションが設定されています。
それぞれの初期設定はこんな感じです。

それぞれのモードは、1が「下書き・スケッチ」2が「ペン入れ」3が「色塗り」、4が「加工」をイメージして設定されています。
これだけでも基本的な動作を一発で呼び出すには十分ですが、自分の好みに合わせてさらにカスタマイズしましょう。
設定カスタマイズ時の注意点
設定をカスタマイズする前に、知っておいてほしいことがあります。
切り替えボタンを押すには手の形を変える必要があるため、ぶっちゃけるとモードの切り替えはめんどくさいです。
また手の小さい人は、手の形を変えずにすべてのボタンを 押すことはできません。
私の使う時の持ち方はこんな感じですが、+ボタン、切り替えボタンを押すには手の形を変える必要があります。

持ち方を変えて+ボタン、-ボタンにかかるように人差し指を置くと、今度はC,Dボタンが届かなくなります。
この辺りは手の大きさと好みの問題ですが、必ず事前にボタンが手を動かすことなく押せるか確認してからショートカットを割り当ててください。
+ボタンにはショートカットは欲しいけど比較的使用頻度が低いツールを割り当てて、1つの作業中にモードの切り替えが必要な割り当て方は避けましょう。
一度の作業で16個以上ショートカットを割り当てたい時はどうするの?という話は後述します。
設定カスタマイズ方法
さて、いよいよTABMATEの設定をカスタマイズしていきます。
TABMATEの設定は、「ファイル」>「CLIP STUDIO TABMATE」>「CLIP STUDIO TABMATE」からアクセスできます。TABMATEを接続しているときしか有効にならないので注意してください。

TABMATEの設定画面を開くと、左上にモード選択タブがあります。

画面右が各ボタンへのアクション割り当てです。それぞれ、①アクションの種類を選ぶ②「設定」からアクションの内容を選ぶという流れで設定できます。
アクションの種類はそれぞれこのように分かれています。
メニューコマンドを実行 | ファイル、編集などメニューバー系コマンド |
オプションコマンドを実行 | ツール類のオプション系(ブラシサイズなど)コマンド |
オートアクションを実行 | 事前に設定したオートアクションの実行 |
ツールを変更 | ツール(ペンや消しゴムなど)の変更 |
ツールローテーションを実行 | 設定したツールローテーション(後述)を順番実行 |
修飾キーを割り当て | Alt,Ctrlなどの実行 |
パレットをポップアップ | 任意のパレットをポップアップ(後述) |
連打回数で実行 | 連打回数で複数の内容を実行 |
押した時間で実行 | 押した時間で複数の内容を実行 |
ON/OFFで実行 | 押してる間だけ実行内容をONする |
アクションの内容について、いくつか解説いたします。
ツールを変更
「ツールを変更」はボタンを押している間だけツールを変更する一時切り替えか、1クリックで切り替える通常切り替えかを選択できます。

たとえばトリガーボタンを押している間だけ消しゴムにするといった技が可能です。
一瞬使えればいいだけのツールの割り当てに最適な機能になります。
ツールローテーションを実行
「ツールローテーション」は、ボタンを押すたびに事前に設定したツールを順番に実行していきます。
設定は 「ファイル」>「CLIP STUDIO TABMATE」>「ツールローテーション設定」からできます。

「標準設定」と表示されている隣の工具ボタンで設定の新規作成・編集できます。
デフォルトだと2個のツールのローテーションですが、いくつでも追加できるようです。
ただ実際使う時のことを考えたら、せいぜい3~4個以内にとどめた方が使いやすいと思います。
パレットをポップアップ
現在のカーソル位置に、任意のメニューウィンドウを表示させる機能です。
たとえば、カラーサークルを設定すると、このようにキャンバス内にカラーサークルを表示させることができます!

そしてこの設定、ボタンを押下中だけ表示するか、押すたびに表示・非表示にするかが選べます。
押下中だけ表示するのがとても便利で、たとえばカラーサークルを一瞬表示させて色の微調整したり、サブツール詳細を一瞬表示させて細かい設定をいじるのに役立ちます!
TABMATEを使う理由の大半がこのポップアップにあると言っても過言ではないくらい便利な機能です。
押した時間で実行・連打回数で実行
「押した時間で実行」は長押し/短押し/押した後に離すでそれぞれアクションを割り当てできます。
つまり1つのボタンに2つの動作を割り当てることができます。
「連打回数で実行」は名前のとおり連打した回数でアクションが変わります。
連打判定はTABMATE設定欄の「オプション」で細かい時間を設定できます。が、回数をミスったりしそうなので基本シングルかダブルかくらいの違いにとどめておいた方がよさそうです。
おすすめ設定
最初に載せた動画のアクションができる、私のおすすめ設定はこちらになります!

実は、この設定1つで下書きから加工までできます。さすがに漫画は描けないと思いますが、CG作業ならモードの切り替え不要!
おすすめポイントについて解説しますね。
押しやすいボタン順によく使うツールを割り当てる
頻繁に使うツールほど、指のホームポジションに割り当てましょう。
私の持ち方だと押しやすい順はトリガー,A, B, 左,上, Q…と続きます。なんかコマンドみたいですね。
たとえばレイヤー移動や手のひらはデフォルトだと方向パッドの上、下に割り当たっていますが、使う順を考えて別のボタンに割り当て直しました。
なるべく指を動かさなくて済むのがストレスを減らすコツなので、なんとなく上からでなく必ずホームポジションを確認しながら割り当てていくのをおすすめいたします。
使うパレットはポップアップさせる
ペンをキャンバス外に移動させる理由って、大体この3つのどれかだと思います。
つまり、「ツールセット」「カラーサークル」「レイヤーウィンドウ」をポップアップで手元に呼び出せば、ペンを常にキャンバス内に留めておくことができるのです!!
これが本当に便利なんです!
押下している間だけ表示設定にしておけば、ボタンを離すだけで消えてくれます。なお、レイヤーウィンドウは操作に手間取ることもあるので、押下中のみより押下ごとに表示/非表示にした方が捗りました。
また私はサブビューもスポイトするためにたまに呼び出すので、+ボタンに割り当てています。
ツールはクイックアクセスで呼び出す
ツールウィンドウを呼び出してもいいのですが、私は事前に作っていたクイックアクセスを呼び出しています。
クイックアクセスの作り方とおすすめカスタマイズ方法は、以前書いたiPad向けの記事をご覧ください。PCでも同様の設定で作成できます。
上記の記事の設定でクイックアクセスを作成して、ポップアップさせています。
私のモニタサイズだと大体5行くらい表示させるのが適切でした(サイズは最初に呼び出した時右下をドラッグすれば変更できます)
5行表示だと大体3行目の右から2番目のツールにカーソルが合うので、この辺りに特に頻繁に使うツールを入れておくと効率が上がります。

こんな面倒なことしないでボタン1つずつにツールを割り当てた方がいいのでは?と思う方もいるかもしれません。
しかし、私は塗りの時にさまざまなツールを使うので、下手に押しにくい位置のボタンにツールを割り当てるくらいなら、一番押しやすい位置のボタンにクイックアクセスを割り当てた方が早いと思っています。
また、こうすることで1ボタンに20個の操作を割り当てできるので、モードを切り替えることなくさまざまな操作ができます!
というわけで、自分に合わせたクイックアクセスを作って、手元に呼び出してしまいましょう。
よく使うツールはペンに割り当てる
私はSurfaceで絵を描いているので、Surface Penを使っています。
Surface Penはサイドボタンが右クリックになっているため、クリスタではデフォルトだとスポイトが割り当たっています。
そのためスポイトはTABMATEには割り当てておりません。
スポイトややり直しのような高頻度で使うツールは、ペンの方に割り当てるといいと思います。
Surface Penのカスタマイズはこちらの記事でまとめています。
というわけで、TABMATEのカスタマイズ方法は以上になります。
本当に便利なツールで、何より今まで悩んでいた煩わしいペンの往復が一切なくなるのが快適です!
左利きなのでショートカットが使えないという長年の悩みを解消してくれたのも大きいです。
私はTABMATEで20%は描画速度が上がりました。購入を迷っている方は、ぜひ効率化のためにも検討してください。
以上、ぼっち(@botch_dreamtale)でした。